社長コラム
死線(7回表)
2025年12月 1日掲載
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2024年11月18日
ピカの震えは続いていた。我々はどうしてよいかわからずお隣のワンちゃん「ウニちゃん」
のママに聞いていた。ウニちゃんのママは、かかりつけのお医者さんを快く紹介してくれた。
すぐにそこへ赴いたが、結果は「検査不能」であった。東大の高度医療センターで原因不明だったものが、そう簡単にわかるものではない。 私達夫婦はそんな事も想像できない程
焦っていたのだ。
「もういよいよだめかもな...」と感じた時に息子のKが言った。
「あきらめないで、もう一度東大の先生に電話してみたらいいんじゃない?」
一晩寝た後に東大のS先生に電話してみる。
様子を聞いた先生は「すぐにこちらへ来れますか?」と言ってくれた。
車を飛ばして東大農学部へたどり着く。ピカはまだブルブル震えたままであった。
衝撃的な検査の結果が出る。門脈圧亢進症性(もんみゃくあつこうしんしょう)だ!
肝臓の疾患により血液が肝臓で止まり、血圧が上がる。すると胃の粘膜がうっ血を起こし
時に出血してしまう。ピカはこの症状により下血を繰り返し、血液がほとんど無い状態に
陥っていたのである。 つまり、貧血による震えであった。
彼女はすぐに入院となった。
正直な話、先生からの説明の中に「光明」と思われるセンテンスは微塵もなかった。
〇この症状の多くの原因は「肝硬変」であり、肝臓病の末期的な段階である
〇輸血をするが、体の拒否反応が起こる事もありうまくいくかはピカの体次第である
〇肝臓が機能しないという事は体の解毒が働いていない事であるため、血液に乗って
アンモニアが脳に入り「アンモニア脳症」という病気になるかもしれない
〇下血する原因が治っていない為、輸血した血液がまた下血によりなくなる事もある
色々なマイナス要因があったにしても、「あきらめる事」はなかった。
ピカの「生きる力」に望みを託して。
これからが戦いのはじまりである。
(7回裏へ続く)
12月29日(月)から1月4日(日)まで、冬季休業とさせていただきます。1月5日(月)から通常営業となります。なお、ガス臭い、ガスが出ない等の安全にかかわる緊急対応は休業中も行っております。ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします。















