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社長コラム

真夏の夜の夢2 ろうそくの揺らぎ

2021年8月 1日掲載

 8月のコラムですが、ちょっと怖いお話の続きです。
北千住に帰ってきた私。疲れた体を引きずりながら吸い込まれるようにアパートの中へ入ります。 
シャワーを軽く浴びて濡れ髪のまま扇風機に当たり、ハンバーガーを食べながらテレビをつけました。ブラウン管(懐かしい!)の中では、夏の定番「ホラー映画」が。
 私はあまり得意なジャンルではありません。5分くらい何の気なしにつけっぱなしにしてハンバーガーを仕留めるほうに夢中になっていました。

 ...ふと気が付くと、自分が会社の中にいます。先ほどまで働いていた社内の会議室にいるのです。仕事仲間も同じようにいます。ちょっとおかしいのは、社内の照明はすべて消され、火のついたろうそくが一本だけ会議室の机に置かれています。皆の顔は不安で歪み、ろうそくの揺らぎがそれを増幅させています。
もっとおかしいのは、私はこの光景を天井からの視点で見ているのです。
「あ、俺いま夢を見ているんだ。」
 自分はさっき、ハンバーガーを食べてから眠気を感じ、ベッドに横になったのを思い出しました。だから、今見ているのは夢なんだ、と自覚できました。しかしながら、目を開けたり、体を起こしたりすることはできません。金縛りに近いというのでしょうか。起きたくても起きられず、私は自分自身の夢を強いられているのです。

 1課の係長、鏑木さんが小声で言いました。
「豊四季の〇〇さんの旦那さんも罹っちまったらしい。」
「あそこにも検針に行けなくなったらどうしよう...」
 どうやら柏市全体にとてつもない奇病がまん延しているらしいのです。体中にかさぶたが発生し、どんどん範囲が広がってしまうのです。また、他人に伝染するらしく、家族内での感染がほぼ100%で起きるとの事。原因も感染予防もわからず、唯一救いなのは誰もその病気で死亡する事がないという事くらいだそうです。

 ...というところで朝が来ました。目も開けられるし、体も動く。夢の内容だけはしっかりと覚えているのです。夢か現かわからない状態で目覚めたのです。
「不思議な体験だったなあ」
 狐につままれた気持ちで、会社に出勤する私。

 しかし、不思議体験はその夜だけではなかったのです...。
 というところで来月に続きます。(笑)

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