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社長コラム

凌雲閣と東京スカイツリー

2019年7月 1日掲載

 今年の大河ドラマ、「いだてん」。皆様、ご覧になってますか?その中に、当時浅草に建てられていた「浅草十二階」なる建物が出てまいります。橋本愛さんが演じる小梅さんが根城にしている東京名所ですね。正式名称は「凌雲閣」というのだそうです。
 実はこの凌雲閣、日本で初の電動式エレベーターが使用され、地上40mの11階には筑波山まで見れる展望台があったのだとか。また、日本初の美人コンテストも行われ、観光名所として「日本のエッフェル塔」という二つ名を持っていたのだそうです。
 その凌雲閣ですが、オープンして20年ほど経つとやはり人気がなくなります。そこで再建に立ち上がったのが、当時浅草で焼き芋屋さんをやっていた岸源三郎という人。凌雲閣を、演芸場としてリスタートさせます。活動写真、漫才、曲芸、踊りなどを見せる小屋を階下に作り、階上では音楽を聞かせて甘酒を飲ませるという、まさに発想の転換を行いました。こうして凌雲閣は「日本のエッフェル塔」から「大衆芸能のあつまる歓楽街、浅草十二階」という姿に変っていきます。ちょっと前の歌舞伎町のような賑わいでしょうか。橋本愛さんは、その下でお客を取る「遊女」として出てきます。
 さて、再建に成功した凌雲閣ですが、大正12年の関東大震災で8階以上が崩落してしまいます。その後は再建されることなく、解体となりました。今では、パチンコ屋さんの前に記念碑がひっそりとあるそうです。凌雲閣の日本のエッフェル塔というイメージは、東京スカイツリーが120年の歴史を経て受け継ぎましたね。いつまでも浅草はエネルギッシュな街でいてもらいたいですね。

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