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社長コラム

河童とカエル

2019年8月 1日掲載

 老眼鏡を買いまして、読書をいたしました。文字が掠れずに読めるのは本当にうれしい事だと感じております。
 さて、私がレンズを通して初めて読んだ本とは?題名で判った方もいらっしゃるかと思いますが、芥川龍之介の「河童」という短編でございます。これがまた、非常に難解というか、摩訶不思議な世界を紡いでおります。生きているこの世界は、どんな風に筆者から見えたのか?を考えさせられます。人間社会へ絶望し、人間世界とは価値観が大逆転している河童の住む世界が「自分の考える理想郷」であると芥川は主人公を通して言いたかったのかもしれません。この後、芥川龍之介はまるでこの小説で予告していたかのように自殺してしまいます。45を過ぎて読んで、ようやく少しは理解できた、できたかもしれない、そう思いました。
 時はかわりまして、現代。場所は千葉市稲毛区某。市立中学に通う双子がおりました。中学二年生になり、生活態度も乱れ、部活も不満たらたら。まるでイソツプ童話に出てくるカエルのように、自我ばかりが制御できないくらいにパンパンに膨らんでおります。頭でっかち尻つぼみ、やれない理由を大なる脳で考える双子のカエル達は、どうやら今の世の中に絶望を感じているようですケロ。彼らの発する言葉はいい大人が聞くとまるで支離滅裂で袋小路。まるで河童に出てくる主人公のように思えます。(主人公は精神疾患という病名を付けられているのですケロ)しかしながら、カエル達には今見えている世界がまだ小さな井戸の中であると気づいていません。 傷つきながらも乗り越えて成長してもらいたいものです。
 そうそう、双子たちよ。君たちの理想とする「河童」は、カエルと間違えられると激怒するのだそうな。
 君たちはまだまだだ、気をつケロ(笑)。

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